中国での個人所得税の計算について、日本で支払う会社負担分社会保険料を個人所得税申告除外として扱う等、適正に個人所得税を計算していない会社が散見されます。今後、そのような会社に対して、税務局からの調査・指摘が入る可能性が非常に大きいため、なるべく早く是正をすることをお勧めします。
背景には、中国個人所得税システムの改良更新があります。これまでも過去大きく2回に渡って、税金申告システムの改良更新が行われてきました。2回目までは(金税一期・二期)においては、増値税発票の偽造防止がメインとして改良が行われておりました。ところが、今回においては(金税三期)、個人所得税の徴税管理強化をメインとして改良が行われております。実際に、個人所得税の申告時に、所得種類をより細かく分けて申告する必要があります。また、各種手当も免税・課税対象にかかわらず、申告内容に入れる必要があります。(家賃、クリーニング代等)。すでに、上海では2016年7月から、江蘇省では10月から新システムの稼働がスタートしております。現在稼働スタートしていない区でも、2016年内にスタートする予定です。
近年、個人所得税の課税調査が活発化しております。上記システムの改良更新により、税務局側で課税所得額の内訳分析が容易になります。また、税務局側で業界平均やその動向なども分析できるようになり、課税所得や個人所得税が平均よりもかけ離れている場合には、税務局から問合せや調査が入る可能性が大きくなります。日本支給給与などを課税所得に入れない、非精算型手当を課税所得に入れていないなどの会計税務処理をされているのであれば、早めに見直されることをお勧めします。
特に、海外で支払われる会社負担分社会保険料について、2010年12月までは、中国子会社が日本本社から請求されていない限り、課税対象ではありませんでした(《国家税务总局关于外商投资企业和外国企业的雇员的境外保险费有关所得税处理问题的通知》(国税发[1998]101号))。ところが、これを定めていた規定が2011年1月より廃止になり、海外で支払われる会社負担分社会保険料は個人所得税上課税という見解が一般的になっています。これまで、廃止になったという通達以外に、明確な規定等がなかったため、個人所得税申告除外として扱う会社がありますが、今後は税務局より指摘を受ける可能性があります。
参考通達
国家税务总局关于发布已失效或废止的税收规范性文件目录的通知国税发[2006]62号
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810765/n812183...
上海市国家税务局 上海市地方税务局关于 金税三期系统上线有关事项的公告
http://www.tax.sh.gov.cn/cmtax/xxgk/ssgg/qtgg/2016...
财政部 国家税务总局关于基本养老保险费基本医疗保险费失业保险费住房公积金有关个人所得税政策的通知
http://www.chinatax.gov.cn/2013/n1586/n1593/n1620/...