保税区の倉庫を通じて輸出を行う際は、還付手続が遅れる場合があるため注意を要します。
遅れる原因は、税務局側では保税区に物を搬送し、税関処理が行われただけでは、輸出として扱われないためです。
税務局側で輸出として扱われるのは、船積処理が完了した時点になります。実務上、通関が完了した時点で、税関証明書類が発行されますが、輸出税金還付に必要な退税単「出口报关单退税联」が発行されません。退税単が発行されるのは、船積処理が完了した時点です。ところが、輸出貨物通関証明が発行された日から90日以内で処理を行う必要があるため、輸出貨物通関証明発行日と船積処理日に間が空いている場合、間に合わないことがあります。(国家税务总局关于经保税区出口货物申报出口退(免)税有关问题的批复国税函[2005]255号)
このような保税区のデメリットをカバーする目的として作られたのが、保税物流園区です。保税物流園区では、物を保税物流園区へ搬入・通関した時点で、退税単が発行されます(国家税务总局关于保税区与港区联动发展有关税收问题的通知国税发[2004]117号)。つまり、保税物流園区については、税務、税関、外貨管理すべて海外扱いとなり、輸出扱いとなります。
輸出加工区も同様であり、物を輸出加工区へ搬入・通関した時点で、退税単が発行されます。輸出加工区は、文字の通り輸出加工を専門に扱う保税開発区です。
なぜ保税区における税務の取り扱いが異なるかについては、中国の税務の歴史が大きく影響しております。もともと、中国国内でありながら国外扱いとする保税区を通じて、国外貿易を発展させる予定でした。ところが、当時(1995年頃)、偽造発票が出回り、不正税金還付が多く行われていました。その結果、税務局側は、税金還付には非常に慎重になり、保税区外から保税区内に輸送されたものについては、還付を行わないと定めたのでした(财税字[1995]092)。結果として、税関、外貨管理、工商局等の部門では、保税区に搬入した時点で輸出扱いとなりますが、税務上のみ輸出扱いにしないというゆがんだ制度になっています。
参考規定等
国家税务总局关于经保税区出口货物申报出口退(免)税有关问题的批复国税函[2005]255号
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810765/n812188...
国家税务总局关于保税区与港区联动发展有关税收问题的通知国税发[2004]117号
http://www.chinatax.gov.cn/2013/n1586/n1593/n1646/...
