中国では、日本と同様、棚卸資産の減損(日本では固定資産のみに減損という言葉が使われておりますが、ここでは減耗、廃棄損、品質低下損を指します。)処理することが可能です。

日本の場合、税務規定上、棚卸資産の減損が認められております。(基本通達・法人税法 第2款 棚卸資産の評価損9-1-4)ところが、実務上認められることは非常に難しく、また低価法を採用する際には国税局の承認申請を行い、原価と市場価格の開きがある際に損金算入が認められます。

一方、中国の場合、税務規定上で税務処理が認められており、(企业资产损失所得税税前扣除管理办法第9、10条)かつ実務上でも減損額が比較的小さい場合は、自己申告で税務処理が完了し、会計処理が可能です。

具体的な税務処理と会計処理は、下記のとおりです。

税務処理は、1、減損額が比較的小さい場合と2、減損額が比較的大きい場合で分かれます。


1、 減損額が比較的小さい場合
減損額が比較的大きい場合とは、企業における分類資産(同種棚卸資産)の税務上の原価の10%以上、あるいは当年の課税所得を10%以上減少させる、欠損を10%以上増加させる場合を指します(上海市は損失額が100万元以上の場合も入る)。上記に該当しなければ、「減損額が比較的小さい場合」と判定されます。その場合は、年度申告を行う際の自己申告(清单申报)で処理が完了します。

実際の自己申告表(清单申报)は、下記サイトからダウンロードできます。
关于印发《上海市企业资产损失所得税税前扣除申报事项操作规程(试行)》的通知
http://www.tax.sh.gov.cn/pub/xxgk/zcfg/qysds/20111...

その際、税務局に提出する必要はございませんが、証拠資料として準備しておく書類が規定上定められております(企业资产损失所得税税前扣除管理办法)。具体的には、下記の書類が必要です(当該管理办法27条)。

・棚卸資産の税務上の原価を確定する証拠(存货计税成本确定依据)
・企業内部における棚卸減耗、変質変化、残存価値の状況説明および審査資料(企业内部关于存货报废、毁损、变质、残值情况说明及核销资料)
・責任者の賠償にかかわる状況説明書(涉及责任人赔偿的,应当有赔偿情况说明)


2、 減損額が比較的大きい場合
この場合は、専用申告(专项申报)を行い、税務局へ必要資料の提出も必要になります。

実際の自己申告表(清单申报)は、下記サイトからダウンロードできます。
关于印发《上海市企业资产损失所得税税前扣除申报事项操作规程(试行)》的通知
http://www.tax.sh.gov.cn/pub/xxgk/zcfg/qysds/20111...

また、1減損額が比較的小さい場合に追加して、専用技術の鑑定意見あるいは法定資格を有する仲介機関が発行する専用項目報告書などが必要になります。

 通常、営業日7日前後で受理・審査が行われ、審査で問題なしとなれば、税務局印が押印された申請書が返却されます。


次に、会計処理については、通常の経営活動の中で発生する正常損失の場合は、管理費用として会計処理を行います。一方、異常損失の場合は、営業外費用として会計処理を行います。賠償金を受け取る場合は、損失額から当該賠償金を控除した金額を減損費用(管理費用もしくは営業外費用)として認識します。例えば、100の商品の減耗損があり、100のうち、50が賠償金受け取り、25が正常損失、残り25が異常損失の場合は、下記のような会計処理を行います。

借方)
未収入金(其他应收款)  50
管理費用(管理费用)   25
営業外費用(营业外支出) 25

貸方)
商品(库存商品)     100



参考通達等

基本通達・法人税法 第2款 棚卸資産の評価損 棚卸資産の評価損 9-1-4
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsu...

关于印发《上海市企业资产损失所得税税前扣除申报事项操作规程(试行)》的通知
http://www.tax.sh.gov.cn/pub/xxgk/zcfg/qysds/20111...

关于发布《企业资产损失所得税税前扣除管理办法》的公告
http://www.chinatax.gov.cn/2013/n1586/n1593/n1711/...

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