日本企業から中国企業への設備無償引き渡しを行うことは、加工貿易取引や資本関係がなくても、法務・会計税務上は、特に問題ございません。
問題になる可能性があるのは、税関での手続きです。
まず、税関手続き上、無償で入れる際であっても、相応の税金(適正価格【通関価格】を税関が鑑定して、関税・輸入増値税を計算)を輸入者側が支払う必要あります。
次に、無償で入れる際は、無償で入れる(通関価格を送金しない)ための税関手続上で別途許可を得る必要がありますが、許可を得ることができるかどうかは、輸入者から管轄税関への説明などがポイントになってきます。
また、許可を得ずとも、無償で中国に入れることは可能ですが、通関価格(輸入価格)と送金価格(中国→日本)に誤差が生じ、税関は輸入者が日本側へ送金する必要があると認識しているため、税関から輸入者に対し、後日指摘を受けるリスクがあります。指摘を受け、十分な説明ができなかった場合は、税関管理上、罰金及び輸入者の格付けが下がる可能性があります(最初はすべての企業はAに設定されているが、格付けが下がるとBやC等になる)。格付けが下がった場合、税関からの管理が厳格となり、外貨送金時の必要書類の増加、ユーザンス取引がやりにくくなるなど、税関手続及び外貨送金手続きが煩雑になります(中华人民共和国海关企业分类管理办法)。
輸入者側で無償設備を受け入れた際は、会計処理上、下記のように処理を行います(小企业会计准则 第六十八条等)。
借方
固定資産
仮払増値税
貸方
営業外収益
現金
固定資産の金額は、市場価格や税関で鑑定された通関価格にすることが多いです。
現金は、中国側で受け入れる際に発生した、税金や輸送費支出などです。
受け入れ時は、企業所得税〔日本でいう法人税〕が増えますが、その後は、減価償却計上できます(国家税务总局关于执行《企业会计制度》需要明确的有关所得税问题的通知)。
参考通達等
小企业会计准则 第六十八条
http://kjs.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/zhengcefabu/201...
国家税务总局关于执行《企业会计制度》需要明确的有关所得税问题的通知
http://www.chinatax.gov.cn/2013/n1586/n1593/n1659/...
中华人民共和国海关企业分类管理办法
http://www.jincao.com/fa/11/law11.106.htm