中国では、2019年1月1日より大きな個人所得税の税制改正がありました。
未だ不明点などが解消されていない状況ではありますが、
概要をまとめると下記の通りです。


1, 中国居住者の定義
暦年あたり183日以上中国に居住する個人を居住者と定義されました。これまでは中国に満1年居住している方が中国居住者と定義されていました。
ただし、日本人の場合には、183日ルールにより納税義務を判定していたため(日中租税条約)、実務運用上の差はほぼございません。



2, 分離課税から一部総合課税
給与・賃金、役務報酬、原稿料、特許使用料の4項目の労働性所得については合算した上で同一の累進税率を適用する総合課税になりました。これまでは、11種類の所得は、全て分離課税されていました。

役務報酬、特許権使用料は費用控除として20%を控除した後の残高を収入額として計算します。
原稿料は費用控除として20%を控除し、さらにその金額から70%を乗じた金額を収入額として計算します。それ以外の所得については、以前と同様、分離課税処理です。



3,税率の変更
3%~25%が適用される所得額が下がったことにより、一般スタッフレベル以下の層(月額課税所得が3.5万元以下の方)に対して、大きな減税になっています。
高所得層に対して変更はないため、多くの経営層や日本人駐在員にとっては大きな影響はございません。

詳細税率は、下記をご覧ください。
https://gaomu.main.jp/topic/2018



4, 基礎控除額の統一
変更前は、中国人3,500元、外国人5,000元でした。
変更後は、すべての個人が5,000元に統一されました。



5,専用控除項目の追加
下記の6つが専用控除項目として追加されました(金額は原則のみ記載)

①子女教育費用 :月1,000元
②継続教育費用 :学歴教育:毎年4,800元(月400元)、職業教育:毎年3,600元
③大病医療費用 :毎年80,000元以内(個人負担の15,000を超える支出部分)
④住宅ローン費用:月1,000元
⑤住宅賃貸費用 :月1,500元
⑥老人扶養費用 :月~2,000元

住宅ローン費用は、初回購入の住宅ローンに限る等、各種制限がございます。



6,非居住者と住所無居住者の課税計算式
非居住者と住所無居住者の課税方法と計算式が、明確になりました。
これに伴い、廃止された通達等も明記されています。

別トピックスにて記載予定。



7, 中国居住者判定基準の日数カウントについて
中国滞在日数の計算については、中国国内に24時間滞在する日を1日とし、
中国滞在時間が24時間に満たない日は滞在日数に加えないことになりました(以前は1日とカウントされた)。
中国国内滞在日数が183日以上の場合、居住者と判定されます。



8, 中国国内源泉所得
中国国内源泉所得の計算は、中国国内で勤務した日数(祝日や個人の休日等も含む)及び中国国内外所得配分により按分計算します。24時間未満の滞在日は半日として計算します(改定前と同様)。



9, その他追加条項
まず、税務局は合理的な方法により、納税額調整を行うことが明記されました。
・関連者間取引が独立取引の原則に合致しておらず納税額が少なく、かつ正当な理由がない場合
・中国居住者が支配する軽課税国に所在する法人からの配当が、帰属する中国居住者の利益よりも低い、または配当していない場合
・その他、商業上の目的を有さない取引により、不当な税収利益を得ている場合


次に、あらゆる機関が連携して、税務局へ必要な情報を提供する旨が明記されました。
具体的には、公安局・人民銀行・金融監督管理機関が個人の金融情報を共有。教育・衛生・医療保険・人事関連局等が税務局へ対し、特別控除等に関する情報を共有しなければならない旨が明記されています。



関連規定
中华人民共和国个人所得税法
http://www.chinatax.gov.cn/n810219/n810744/n375293...

财政部 税务总局公告2019年第34号
http://www.chinatax.gov.cn/n810219/n810744/n375293...

财政部 税务总局公告2019年第35号
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c414963...

国务院关于印发个人所得税专项附加扣除暂行办法的通知
http://www.gov.cn/zhengce/content/2018-12/22/conte...

国税发[1994]89号

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